循環器内科と心療内科
当院は内科全般を診療する、かかりつけクリニックを目指していますが、その中でも柱は僕が開院まで専門にしてきた循環器内科と弟、二郎が担当する心療内科であります(当クリニックの名称のハートケアも、心臓と心を癒やすことをめざして命名しました)。
大きな総合病院なら別ですが、小さなクリニックでこの二つを並列で診療する医院は珍しく、僕が知る限り、県内では唯一、九州でもほとんど見うけられないようです。
開院前から、循環器内科の患者さんを診療している中で、いろんなストレスなどから不眠や、不安の症状をもたれておられることが多く、漠然とこの二つの診療科がそろえば、補いあえるところが多いのではないかと思い、今回このような形で開院させていただきました。 実際、開院して一ヶ月経過しようとしていますが、この二つの診療科の相性は予想以上にいいように思います。
たとえば、先日も動悸を訴えられて内科循環器科に受診された方がおられたましたが、内科的ないろんな検査や診察では異常を認めませんでした。さらによくお話しをうかがうと、ストレスを感じたときに動悸発作がおこることが多いように感じましたので、心療内科でも診察を受けていただきました。その結果、やはりストレスに基づく心療内科領域の疾患からの症状であると診断がつき、適切な内服治療により動悸は消失し、日常生活を支障なく過ごせるようになりました。
また、最近仕事にやる気がでない、体が重いとのことで心療内科を受診されたかたは、病歴から身体疾患を疑われ、内科循環器科にまわっていただき、精査の結果心臓弁膜症を基礎とした慢性心不全状態であることがわかりました。この方も治療の結果、快方に向かっておられます。
他にも、日中仕事に集中できないとのことで心療内科に受診された方は、内科で精査の結果、睡眠時無呼吸症候群であることが判明し、現在最終の治療方針決定のための精査を関連病院にお願いして入院の上検討していただいています。
このように患者さんが、受診希望で来られた科のみでなく、二科で連携協力し精査治療を行うことで、適切な診療ができ、病状を改善できることができるケースも少なからずあるようです。
もちろんほとんどの患者さんはどちらかの科のみで完結できることが多いですし、患者さん本人の了解同意がなければ併診することはありません。
ですので、連携治療を必要とする方は決して多くはありませんが、その中では、有効な治療になりうる可能性が高いように思います。 今後もより適切な治療を行うことで受診される方の生活の質の向上ができるよう、クリニックを挙げて努力していきたいと考えています。