コラム:熱中症とその対策 | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

熱中症とその対策

(2017.07.25更新)

梅雨も明け、夏真っ盛りとなりました。
子供さんや学生さんは夏期休暇となり、海や山のレジャーシーズンですね。

この季節は熱中症が多くなる時期でもあります。
熱中症とは暑さにより、体に障害をきたす症状の総称です。熱射病、日射病も、重症の熱中症の一つです。

症状は軽いものでは、よく高校野球の選手が試合中に足がつる状態がありますが、熱痙攣とよばれる病態で、他に頭痛や疲労感を伴うことがあります。
中等症の症状は、熱疲労とよばれる状態で、脱水を主体とした頭痛、吐気、食欲低下などを持続的に認めます。
重症になると熱射病となり、体温調節が効かなくなり、40度以上の高体温、意識低下、腎機能低下などをともなうこともあります。

気温が高い場合、もしくは湿度が高い場合には、体温を正常に保とうとする放熱や発汗ができにくくなり、熱中症を引き起こします。
当然、気温、湿度の高い炎天下の屋外での作業、運動中に起こしやすいのですが、そればかりではないのが難しいところです。

高齢者や、糖尿病や悪性疾患などの基礎疾患をお持ちの方は、そうでない方よりも容易に熱中症におちいりやすいことがわかっています。
このような方々では、必ずしも日中、屋外などとは限らず、夜間、家庭内でも熱中症となることがあります。

予防としては、当然ですが、まずは環境の整備です。屋外に出るときは帽子や日傘などで直射日光を避け、発汗を妨げないような通気のよい涼しい衣服の着用が必要です。
屋内でも、通気をよくしたり、エアコンなどでの室温調整も有効です。特に夜間もエアコンを切って締め切った室内では、昼間以上に室温の上昇もありえますので注意が必要です。
さらに大事なことは水分の補給です。屋外はもちろん、屋内でもこまめな水分補給にお気をつけください。

熱中症になってしまったときの対策としては、基本的にはまず、水分補給、そして体温上昇のあるときには冷却です。
水分は可能であれば電解質の含まれるスポーツ飲料がおすすめです。冷却は、室温の低い奥内で、冷たいタオルなどで脇の下、首筋などを冷やすことが有効です。
もし、意識レベルの低下や、高体温、嘔吐、激しい頭痛などを伴っているときには、早急に医療施設に搬送する必要があります。重度の熱射病では命に関わることも珍しいことではりませんので、遠慮せずに救急車などを呼ぶことも重要です。

以上が、熱中症につきましての簡単な症状、予防、対策になります。
このようなことに気をつけても温暖化やコンクリートや鉄筋のビルが増え、通気のいい木造の建物や植物が減っている環境変化の影響で、熱中症を防ぐことは以前に比べて難しくなっています。

当院でも可能な限り熱中症の予防、対策、治療などサポートさせていただきますので、暑いさなか、体調が優れないときにはお気軽にご相談いただければ幸いに存じます。