コラム:狭心症ってご存じですか? | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

狭心症ってご存じですか?

(2017.08.01更新)

狭心症という病気をご存じですか?

僕は内科医ですが、このクリニックで開業する前には循環器内科を中心に診療していましたので、一番専門的に多くの患者さんの治療をさせていただいたのがこの病気です。ですので、この病気に対する思い入れは人一倍強いのではないかと思います。

心臓には、包み込むようにまわりを取り囲む冠動脈と呼ばれる血管があります。

その冠動脈が、主に動脈硬化という状態となり、血液の流れが滞ってしまい、そこから先の血液不足で、痛みを引き起こしてしまう病気を狭心症といいます。

原因は高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病や、肥満、運動不足、喫煙、さらに遺伝やストレス、加齢や男性ホルモンも一因となります。

症状としては、重いものを持ったり、階段を上ったり、つまり心臓に負担をかけたときに胸の中央、ネクタイの後ろあたりの部分を中心に、圧迫感、痛み、息苦しさ、冷や汗などを生じることが代表的です。なかには、歯や顎が痛くなったり、肩や後頭部の重い感じ、お腹や背中の痛みなど、心臓から離れた場所に症状を訴えられる患者さんもおられます。このような離れた場所の症状は放散痛と呼ばれており、重要な所見となります。

通常、安静にすると数秒から長くても数分で改善します。

治療および予防には、血圧、血糖、コレステロールなどのコントロールも重要となります。食事や体重に気を配ることも大切です。また、血液をさらさらにする薬や、血管を広げる薬を使うこともあります。胸痛発作時にはニトロというお薬が有効です。

症状が強く、重症の場合は血管造影という検査で調べた後に、血管を広げるカテーテル治療や、バイパス手術が必要なこともあります。

狭心症は、放置すると重症化したり、日常生活に支障をきたすこともあるおそろしい病気です。

胸痛や圧迫感など胸の症状だけではなく、繰り返す歯や顎の痛み、肩こりなどでも、気になる症状があれば、早めにご相談いただければ幸いです。