心療内科における診断および治療の重要性
こんにちは。当院副院長の片山二郎です。前回、認知症についてお話させてもらったので、今回は、心療内科 精神科領域において、一般的なお話をさせてください。
クリニックにおいて、精神科・心療内科で扱う疾患は多岐に渡ります。主な疾患として、神経症、統合失調症(主に慢性期)、睡眠障害、躁鬱病から日々の様々なストレスに適応できず不安感や、抑うつ気分を生じるストレス関連性の障害など様々です。
これらの症状において、純粋に心の問題や、ストレスから引き起こる症状ばかりではなく、落ち込みや意欲の低下、幻覚や妄想、動悸や倦怠感、不眠の背景に、身体疾患(ホルモンのバランスの崩れ、血液中の電解質のバランスの異常、心疾患や、頭部外傷、或いは甲状腺や副腎皮質の疾患)が認められることも稀ではなく、また、鬱病の中には、脳内の伝達物質のバランスが崩れ発症するタイプ(以前、 major depression といわれていたもの。)などがあり身体のバランスが崩れた結果として発症する疾患も稀ではありません。
当然ながら、同じような症状であっても背景にある。身体疾患により、診断や治療方法が全く変わってきます。この時点で診断を間違ってしまうと治療法も間違ったことになります。(実際は、心療内科精神科の領域の疾患では、長い時間をかけ、経過をみて、はじめて診断がつくことは稀ではなく、また、初診時に十分な時間をかけ診察したにもかかわらず、診断が経過とともにかわることもあります。このあたりのことは、またの機会にお話できたらと思います。)
当院では院長である内科医と連携し身体疾患の疑いがある患者さんに対しては、速やかに検査診断および治療いたします。もちろん入院を要する場合や、脳外科領域などの専門医療が必要な場合は、しかるべき専門医療機関と連携させていただいております。
今後も、精神科専門医として、目の前の患者さん一人一人に全力で診断と治療を行い、地域医療に貢献できるように努力していく所存でございます。
不眠 気分の落ち込み、食欲不振、意欲の低下イライラ感などで悩んでおられる方は、 早期の適切な診断を受けることが、大事なことも多々あります。どうぞ1人で悩まずに、お気軽にご相談くださいませ。