コラム:動悸は病気? | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

動悸は病気?

(2017.09.26更新)

“動悸がするんです。”とのことで、クリニックを受診いただく患者さんは少なくありません。

“動悸”とは、心臓の拍動を感じることです。心臓は最も働き者の臓器とも呼ばれ、1日におよそ10万回の拍動を休むことなく繰り返しています。
普段の生活において、動悸を感じることはほとんどありませんが、だれでも自覚する動悸はあります。おおよそ一分間に100回以上の頻脈という状態になると動悸が生じますので、飲酒や運動、緊張などで容易に自覚されます。ですので、こういう状態での動悸は心配ないといえます。

心配しなければいけない動悸についてお話ししましょう。脈が一拍だけ飛ぶような感じや、一拍だけ強く打つような動悸は期外収縮という不整脈の可能性が高いです。緊急性は高くないことが多いのですが、念のため医療機関で心電図確認してもらうことをお勧めします。安静にしているのに突然始まる動悸は、発作性頻拍と呼ばれる不整脈の可能性が高いです。この場合、専門的な治療が必要となることがあります。さらに動悸の最中に、ふらついたり、意識を失うようなことがあれば、不整脈のため脳に十分な血流が保てていない状況ですので、非常に危険であり即座に医療機関での対処が必要です。マラソンやサッカーなどの運動中に突然倒れ、心肺停止となることもありますが、その原因の多くが心室細動と呼ばれる最も恐ろしい不整脈です。このような場面に遭遇したら、AEDと呼ばれる自動除細動器での処置が必要で躊躇していると手遅れになってしまいます。AEDは電源を入れ、自動音声に従えば誰でも使用できます。最近は公共機関や大型商業施設には常備されています。もちろん当院にもおいてあります。万一、このような場面に遭遇したら勇気を持ってご使用ください。

心因的に過度のストレスなどをきっかけに動悸を感じることもあります。このような場合には内科的な診察、検査では異常を認めず、見逃されることもあるかと思います。当院では心療内科の専門医もいますので、連携をとって対応させていただくことも可能です。

このように、ひとことで“動悸”と言っても、心配ないものから生命に関わるものまで、原因も循環器的要因から心療内科的要因まで様々です。

動悸が気になられましたら、ぜひご相談いただければ、お力になれることもあると思いますのでよろしくお願い申し上げます。