コラム:どこから病気? | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

どこから病気?

(2017.12.26更新)

心療内科担当、副院長の片山二郎です。
心療内科領域では、時として病気と健康の領域が明らかでないことがあり、それで受診をためらってしまうこともあるように思われます。場合によっては、はっきりした病名がつかなくても、受診いただき、お話ししてストレスが少しでも改善することにより、お元気になられる患者さんもいます。
受診した方がいいのか、もしくは受診していいのかを悩まれる様なときは、まずはご遠慮されずに、お気軽に受診お願い申し上げます。

医療行為の中に占める検査の役割は、非常に大事なものがあります。検査の結果判明したデータに基づき診断が行われ、診断に基づいて治療が開始されます。検査の中には、エコー 心電図 MRI CT 血液検査などの一般的なものから主に遺伝子疾患などに使用される DNA 検査まで様々なものがあります。身体の不調を覚え受診された患者さんは、どの診療科を受診されたとしても主治医の判断に基づき、当然必要に応じた検査を受けることになります。

精神科や心療内科の領域の疾患となると、少し他科と違うことがあります。この領域では、(身体疾患が背景にある精神症状を認める病態は除き)明確な検査データが表れることはありません。当然、診断するにあたりそれぞれの医師の判断に任せられるところが多くあります。判断の材料として、鬱病や、認知症、発達障害、或いは神経症圏の疾患などにわたり、自己評価尺度や物忘れ検査などの主観的であれ客観的であれ、比較的簡便な検査があるにはあり、また、医師の判断のばらつきを少しでもなくする共通の診断基準をまとめたものもあります。ただ、やはり大事なのは、診察のときの、患者さんの表情 歩き方 話し方 雰囲気 疎通性 話している内容や、生活歴や病歴 或いは服薬中の薬など総合的な診察上の所見が非常に大事になってくると思います。

それらを総合的に判断するために、大事なのは、偏った見方ではなく、いい意味でも悪い意味でも、普通の感覚を持っていることが大事と思われます。片方から見たら曲がりくねった道でも、反対側から見たら、まっすぐな道もあります。このようなことを理解したうえで、これからも、多くの人の大切な人生の一助になれるように自分自身多くの経験を積み また多くの人と接して様々な人生を学ぶことが大切なのかなというふうに思っております。