コラム:絶妙な“人間の時間” | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

絶妙な“人間の時間”

(2018.01.15更新)

先週は長崎にも大寒波が襲い、ここ長与も一面雪景色となりました。
体調管理の難しい季節です。
寒さだけでなく、空気の乾燥に注意し、体調不良を感じたら早めにご相談いただけると幸いです。
今回のコラムも知行医師の文章です。
少し、哲学的な話しみたいですが、お付き合いください。

例えば哺乳類は小さなネズミでも大きな象でも、一生のうちにうつ心臓の数は25億回でほぼ一定だという。犬の心拍数は250/分で人の4倍なので、寿命は1/4で25億回になる。もし、心拍のテンポを時計として考えるならば、犬も人と同じ長さだけ生きて死ぬことになる。

信長の時代を含めて「人生50年」とされてきたが、戦後70年を過ぎ、いつの間にか「人生80年」になってしまった。昔は15歳の元服で1人前になり、20歳前に嫁をもらい、50で天寿を全う、と現在から見れば縮尺したスパンで人生を全うしていたと思われる。短ければそれなりに急いで知識、知恵、学識を詰め込んで社会に還元し、若くして大きな仕事を成し遂げていたようだ。

今は当時に比べると、勉学の時間もはるかに長くなり婚期も遅くなった。この調子で仮に、「人生120年」になったとしよう。100歳の定年、110歳のぼけ老人社会には多くの人はうんざりするのではないか。その場合、人はさらに大型となり、副交感神経優位となるため、心拍数も40/分となるだろう。(大学終えるのも30代後半、因みに、小さい人はきびきびしているが大きい人はのんびり傾向なので、社会全体が鈍く、どんより回転しているだろう。)

そんなふうに考えると、80歳の現代社会と言うのは、これがギリギリのところで、しかも、絶妙な(人間の時間)ともいえるのではなかろうか。人のサイズも生きる時間もあまり巨大になってはなってはいけない。