別れ
(2018.10.01更新)
友人を亡くしました。
30年以上のつきあいでした。
学生の時から部活が一緒で数え切れないほど飲みに行きました。
昭和の歌謡曲が好きでした。
僕が結婚したときは友人を集めてお祝いしてくれました。
うちの娘と誕生日が1日違いで、自分で企画して我が家で合同誕生会をしたこともありました。
僕が書いた論文をちゃんと認めて褒めてくれました。
開業したときには自分で焼いた陶器を持ってきてくれました。
友人たちを集めて、開業祝いもしてくれました。
闘病中、いつ見舞いに行ってもありがとうと言ってくれました。
闘病中なのに娘の大学合格をすごく喜んでくれました。
1回だけ、見舞いから帰ろうとしたときに、まだ帰らんでと言われました。
寂しがり屋でした。
周りに気を遣って本音を隠すとこがありました。
照れ屋でした。
恥ずかしがり屋でした。
病気のことは、誰よりもわかっていたと思いますが、最後まであきらめず、頑張り抜きました。
退院したら、寿司を食べに行く予定でした。
焼き肉を食べる予定でした。
陶器を教えてもらう予定でした。
亡くなる前の晩、もう意識はありませんでしたが、好物のアイスをほんの少し唇に乗せてやると、溶けて口の中に入っていきました。少し笑った気がしました。
もういないということが、まだ信じられません。
また、いつかどこかで会いましょう。
それまで見守っていてください。