コラム:どう決断 延命治療 | かたやまハートケアクリニック 長崎長与町 イオンタウン長与内の内科・循環器内科・心療内科

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コラム

どう決断 延命治療

(2019.01.16更新)

今回は久しぶりに父に登場願います。
延命治療についてです。
医療の進歩などで、日本は世界でもトップの長寿国となりました。
だからこそ、人生の最後をどのように過ごすかということは、より大きな課題ともなっています。
人生最後の治療、延命は本人だけでなく、家族にとっても非常に重要な意味があるでしょう。


この表題は本日放映された NHK 総合テレビのものである。
末期患者に対する人工呼吸などの延命についてであるが、患者さんを看取る家族の立場から、決断の重さと、いつまでも、心をとらえて離さない苦渋について、家族のほか、コメンテータの意見などを含めて述べられていた。
ただ気になるのは家族の判断に際して、その判断を支えることとなるべき主治医の意見が、全くコミットされていないこと、およびコメンテータとして東大特任教授の意見で、“患者さんの健康なときの同意書(延命を拒否する或いは希望するなど)がとれていればよかった。”との見解である。

まず家族は人工呼吸がどのようなものかほとんど知識がない。この病気の末期状態で医学的に延命処置が望ましいかとか主治医が的確に判断し、丁寧に説明すべきである。医師の説明の中に、まず自身の親であればとの考えが根底に働くはずである。

第2に病気前の患者の同意書があればそれにこしたことはないかもしれない。しかし、教授が望まれるように健康な人のすべてにこのような事態を想定しての同意書(意見書)が必要であろうか。どのような病気または事故で終末を迎えるかわからないのに、またその場の医学的判断も想定できないのに、延命を希望するなどと今からいえるものだろうか。あくまで、経過とともに医学的に病態を把握している主治医がその状況に応じた判断をし、説明をして、家族はその状況をよく理解した上で決断を下すべきであろう。肝心なことが欠落しているのではなかろうか。