ヒーロー
イチロー選手が現役引退を発表しました。
最後のアスレチックス戦の4打席はTVの前で正座をして見せていただきました。
クリニックHPの自己紹介欄にも書いてるとおり、彼は僕の中で間違いなくヒーローです。
1992年にプロ入りし、今年で28年目のシーズンだったそうです。
偶然ですが、彼のプロ入りと僕の医師生活スタートは同年度であり、これも一方的に思い入れを強めてるのかもしれません。
通算安打、盗塁数、首位打者獲得数、盗塁数、捕殺数など、日米での活躍の数々はもう僕がここで書くまでもなくご存じの通りです。
彼が残した数字だけを見ても、彼の偉大さは充分に伝わります。
ただ、僕の中ではこのような数字よりも、彼の2度の打席が強く印象に残っています。
一度目は前にも書きましたが、長崎で行われた2000年のオールスターゲームです。このときすでに6年連続で首位打者獲得中のスーパースターで、この試合でも3打席までにすでに四球とヒットで2回出塁しおり、最後の4打席目は誰もがホームランを期待している状況でした。そこで期待通りに当然のように一発を見せてくれる姿にしびれました。ちなみにその年も首位打者をとり、シーズンオフにメジャーに移籍したので、日本のオールスターの最後の打席となったわけです。この打席をカメラ越しでなく、直接見ることができたのは僕の宝です。
もう一打席は、多くの皆さん同じ思いかもしれませんが、2009年のWBC決勝の同点で迎えた延長10回の決勝タイムリーです。その瞬間はセンター方向からのカメラで中継されていましたが、カメラの方向に大きくなりながらまっすぐ向かってくる打球の美しさは生涯目の奥に焼き付けられていると思います。
期待に応える力、願いをかなえる力を持っていたことが、彼が世界中の人々を魅了してやまない存在にしていたのだと思います。
イチロー選手、お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。